<田舎暮らしの1年から>
山の中腹に、岩を削って祭られている“波切不動”は、元禄の大地震(房総での死者10万人)の時、津波を恐れ村人がここ迄逃れてきて助かったという場所に建てられています。
無病息災を祈願してこの日は、護摩焚きがあります。
古いお札を焚き、御前さん(住職)に祈願していただいた新しいお札を手にしたら部落の全世帯(50軒)の人達がこの不動産に集まり
新年の法話を聞きます。
ペンションオーナーの日記帳。
<田舎暮らしの1年から>
房州の雑煮には、“巾のり”が欠かせません。
東京湾の海苔とは違い外房に生えている海苔は、厚く巾の広いのが特徴です。成長すると10~15cmになり、それを摘みとって青海苔と同様に、“す”に延ばし天日干しにします。
どこの家でも所狭しと100枚~200枚の海苔が庭先を飾ります。
この季節の風物詩で、卸値で1枚200~300円します。
主にお正月に需要があるので暮の巾のりは、1枚300~400円します。解禁日は決められていて(大潮の2~3日昼夜)、12月に入ると
皆その日を待ちわびています。
冬の海でも胴長(ゴム製の胸まであるズボン)を着るので寒くないそうです。もっともたった2~3日で5~60万円の稼ぎがあるので寒さなど気にならないのは当然です。
冬になって最初に採るのが“新巾(12月の中旬ごろ)”、年を越して採るのを“旧巾”といい大分安くなってしまいます。
磯の香りが強く普通の海苔とは食べ方が違います。火であぶり細かくもみ、長ねぎのみじん切り、鰹節と醤油、お湯を少しかけて食べます。
お正月の雑煮に入れるのは、巾をきかせるという縁起を担ぐ為と言われています。